ぼくがモスクワを好きなこと
結論から述べると、ぼくは多分モスクワがペテルブルクより好きなのだろうと思う。
モスクワ、という街はぼくを魅了してならない。
ペテルブルクには、あまりロシアな建築がない。ペテルブルクとモスクワで少し似た建築として、ペテルブルクには「血の上の救世主教会」、モスクワには「聖ワシリー寺院(ポクロフスキー聖堂)」があるが、前者はあまりに現代的で、内装もあまりに人(観光客)の興味を引こうとがんばり過ぎている。
モスクワには、ロシアな建築がたくさん転がっている。通りを歩いていても、あちらこちらから教会の鐘の音が聞こえてきて、その度に騒々しい街は一瞬真面目な顔を見せる。
通りをとってもモスクワは本当に面白い。
新アルバート通りは、年や季節によって飾りつけも変わり、音楽が流れたりしていて現代的な人の楽しみ方をうまく使えている。旧アルバート通りは歩行者天国になっていて、お土産屋も、似非寿司屋も見ていて楽しい。と思えば文化的なニキーツカヤ通りがあったり、自然がきれいな環状道路があったり。細々とした店の多いキタイ・ゴーラド界隈を歩くのも楽しい。
ペテルブルクは、どこも建物の高さが同じで、どこも似たような建物が並んでいる。
一度書いたことがあるが、整っている、というのはぼくにとって非常につまらないのだ。
雑然としていて、見るのに少し時間がかかったり、そういうもののほうが興味をひく。
新年はモスクワに遊びに行っていた。もうこの3年でモスクワに結局合計一ヵ月半ほどはいたことになる。それでもこの街は何度でも歩きたいし、いつでもぼくを魅了する。
やはり、好きなものを好きな理由を説明することは、こうも難しい。
しばらくこの街にも行けなくなってしまった。
Очень скучаю по Москве.